Tue

19

Feb

2013

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この業界では知らない人はいない?!建築設備フォーラムさんの2/18(Vol.595)号メルマガに、戸田建設の社長交代のインタビューに対するコメントがありました。本ブログのタイトルにある通りの問題なのですが、業界に身を置く自分としては、全くの同感であり問題が顕著になってから久しいと思うのは私だけではないと思います。日本国内と同じく、ここインドネシアでも日本の建設バブルを思わせる需要があるだけに、人手不足は更に顕著で深刻な課題となっています。メルマガの編集後記にあるとおり、このままですと国内はもとより海外においても、需要はせっかくあるのに「人手不足」による「人件費高騰」で受注だけ増えて業績(利益)は悪化という悪循環に陥る可能性は大きいと言えます。(というか既に陥っている!?)

130219_kensetsuhukyotodas.jpgその中で過去数年間は上位に追いかける売上を目指し準大手では優等生と言われていた戸田建設のいきなりの不調は、起こるべくして起きた結果というのが下記の新旧社長後退の記者会見コメントからもはっきりしています。

「手持ち工事の最終的 な利益がどうなるのかという読みがはっきりしていなかったというのが一番の要因。 最初に計画した利益予測に対する現実の状況をタイムリーに掌握し、その内容を組織 的に上に上げていくという当たり前のことができていなかった。 その現状把握に大変手間取った。 非常に甘い、根拠の薄い内容で最終原価目標を立 てていたことが調査で露見した。」

?同じ業態の会社に勤めている自分には全く持って他人事どころではなく、見に包まされる反省のコメントであり要因分析でした。この業界の需要と供給バランスと利益確保の難しさこそが、過去から続く永遠の課題のように思えてきます。その中で建設業界全体の人手不足もさることながら、その中でも設備技術者の不足はここ数年は慢性化しており、深刻さは建設業界全体のそれとは比較にならないと思われます。要因分析でもないのですが、今日の事態を招いた原因としてよく言われるのは下記ではないでしょうか。

  • 建築設備という業種のカテゴリがマイナーであり、大学でも専門学科となっているところはほとんどない。人材供給源も分散してしまい、継続的な確保が難しい。
  • 建築のベース知識に加えて電気、機械、環境、ITなどカバーする範囲が広範囲であり、専門知識を有する人材が少なく実務レベルへの育成に期間を要する。
  • 国内の建設不況の煽りで、成り手が乏しい反面、実務における業務割合は近年の環境配慮、省エネルギー意識の需要もあり、年々高まっている。 建築コストにおける割合や需要と比較して、設備技術者の位置付けは依然として高くない。(近年の設備技術者の国家資格改定の顛末をみても明らか)。

挙げると切りがないのでここら辺で止めておきますが、要はこの業種に限らず過去に日本市場で繰り返されてきた事象で、需要はあるのに待遇や業務環境は旧来から変化できず結果として、人材不足>忙しくなり処遇が悪化>成り手が減って更なる人手不足 という負のスパイラルになっている感じがします。

それでは世界全体の市場はどうかというと、マクロな都市全体の規模でいえば近年注目のスマートシティ建設、建物個別でも温暖化対策を踏まえた環境負荷低減化、災害や非常事態の経験から事業継続を踏まえたエネルギー源の多重化や個別サイクル化の推進など、建築設備の分野の拡大と需要の増大は留まるところがないかの勢いです。カバーする分野も更に多くの業種を呑み込んで拡大し続けています。このような背景もあって、建築分野の設備技術者は、個別の要素技術を建築にどう組み込むかの橋渡し的な役割を担うコンサルタント的な位置付けも増えてきていると考えられます。世界的なエンジニア事務所であるアラップなども人数が増えているようですが、中国のスマートシティ市場を押さえているようなので、構造技術者に加えて設備の技術者も多いのではないでしょうか。

世界に目を向ければこの分野にもバラ色の市場と需要がありそうだということにして、最後に冒頭の戸田建設の会見でズバリ要因を述べている下記のくだりに戻ります。

「社員数、職員数の消化能力を超えた手持ち工事量を持ってしまった。 それによっ て利益を出していくようなストーリーづくりができなかった。 職人不足になると、 どうしても工程が後ろになり、突貫工事となっていく。 そうなると利益の見通しも 立たなくなる。」

これこそが今日の業界の利益構造を悪化させ、この分野の人手不足を招いた原因でしょう。結論としてやはり原因は身の内にあったということで、同じ業界の人間としては胆に命じたいとは思います。もっともこのような戦略的判断をする立場ではないので、日々忙しい日常を生き抜くにはたまの息抜きも必要かという何とも小さい話でまとまってしまいました。。。


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