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30

Mar

2018

近頃はこの建設業界にも遅れながらもICT化の波がやってきており、昨今のAIブームも相まって、ちょっとした革新?的な手法の機運が高まっています。背景には東京オリンピック景気と重なった業界の景気の良さと、相反するような圧倒的な人手不足と働き方改革などによる生産効率化の圧力もあるかと思われます。大手ゼネコンはこぞってロボット化やAIによるスマートコンストラクションのような提案がブームですが、どちらかというとハードありきの提案になっています。そんな中で、中堅ゼネコンの戸田建設が最近に自社パンフとして発表した「未来の歩き方(~戸田建設が考える2030年の建設業の姿~」は、未来の建設現場(作業所)の様子が、働き手の社員の視点から描かれていて、ソフトとハードの融合でこんな素敵な?職場になるというのが伝わる内容になっています(こちらのリンクから簡単なあて先入力で誰でもダウンロード可能です)。
 なんでも若手社員のワーキンググループで作成されたとのことで、夢のある職場環境(現場は週3日出れば、後は遠隔チェックでOKなどなど)となっていますが、きちんとした技術の延長線上で可能な内容となっており、単なる願望の夢物語で終わっていないところがさすがエンジニアリング会社です。考えてみれば、生産効率化を進めれば当然この位の負荷で工事監理もしていかなければならないでしょうし、何より圧倒的な人手不足の中で、この程度のことが実現できなければ現場監督の成り手すら確保できないという警鐘とも考えられます。
 パンフレットの中で若手女性社員が、プライベートでも使うVRのヘッドマウントディスプレイなどは、実際に実用化されつつあり、次のスマホと同様に仕事でもプライベートでも一人1台で普及するのは時間の問題ともいえます。そのようなヘッドマウントディスプレイが生活や仕事に入り込んだ未来ということで考えれば、意外にリアルな描写だなと感心します。
 去年にAppleからiPhoneXが発売されましたが、Xは10周年の意味で、恐ろしいことにiPhoneが発売されてからたったの10年しか経っていないということでもあります。まさに10年で世界を変えたツールなのですが、この先の10年、20年でどれだけ世の中が変化するのかは正直、想像できないところです。こんな戸田建設のパンフレットを未来物語という以前に、想像力豊かな若手社員すら想像できないような近未来の作業現場、例えば一人現場(※作業監督者が一人の現場のこと)ならぬ無人現場なども出現するやも知れません。私自身がこの業界で2つの会社で既に20年過ごしていますが、ここ数年の変化はかつて無い変化だと感じていますので、10年後に大いに期待したいところです。まずは自分自信の仕事(職域)が10年先もあるのかの心配が先になりそうですが。。。


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”ところによりエンジニア”