Mon

19

Feb

2007

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とうとうというか、この程度の機能はすでにあったりこれからも普通に出てくるのでしょうが、空調設計を自動で行ってくれるCAD(ダイキンのFILDER_PLUS)が登場したそうです(今のところは!ビルマルチだけのようですが)。空調設計を生業にしている自分としては、ここ3,4年の流れを考えるといたって当然!?といったところです。かつては建物の規模である程度のすみわけがあった、業務用途における空調システムですが、ビルマルチの高性能化、適用性能の向上により、5万m2を超える某組織事務所のオフィスビル物件に全館ビルマルチなどという話も珍しくなくなりました。

こうなってくると設計事務所としての空調設備の設計技術者より、メーカーの技術者の方が知識も深いしコストも安く計画・設計できることは間違いないと思われます。実際、施主側のメリット、イニシャルコストも含めたトータルでの環境負荷などを考えると、ビルマルチという選択肢は全くもって合理的なところが多いとも言えます。そのうち、ビルマルチの設計に限らず人が定形的に行っている作業(設計の他、負荷計算や積算も含めて)などは、早い段階で人口知能、ロボットが代行してくれるでしょう。

では、設備設計者の仕事は無くなるのか!?というと、実は矛盾するようですが、全く悲観はしておりません。これからの建物には今以上にエネルギー抑制、環境設計の要素が大きくなるでしょうし、設備設計者の役割はますます重要度が高くなると(自分は)考えています。建物の配置から意匠まで、環境を考慮に入れない計画などは今後は考えられないでしょうし、法的な義務付けも増えることでしょう。また、知的生産性(ワークプレイスプロダクティビティ)に代表されるような新たな付加価値を建物に与える仕事も、設備設計者の分野になると思われます。

ようは、どんな分野もそうなのでしょうが、10年前と同じことをやって食べていけるほど甘い仕事はないということで、設備設計者も常に新たな分野(ネタ)の習得をしていくことが肝要ということだと思います。ちなみにこの知的生産性、広義の意味では工場の生産性向上などいろいろあるのでしょう。Wikipediaの「知的生産性」もいま一つピンとこない内容ですが、われわれの分野では年明け早々の2007年1月号の空気調和・衛生工学会学会誌にしっかりと特集されています。また、近いうちに設備設計における新分野と技術者の役割(?)的な考察をしていきたいと考えております。


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”ところによりエンジニア”