Wed

06

Apr

2011

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昨日の記事で、福島原発の放射能漏れにおける放射性物質の拡散予測が気象庁からIAEAに出されているとの記事がありました。よく分からないのが、例によって国内では非公表でマスコミに指摘されるまで公表する意思すらなかった様子であることです。このデータを元にしていると思われる拡散予測データが、なんとドイツやノルウェーの気象機関により詳細なシミュレーションデータとして既に公表されているということです。先の震災報道におけるマスメディアの姿勢もそうなのですが、なぜ日本の政府はこういった情報を隠してしまうのか理解に苦しみます。しかもインターネットで瞬時に情報が世界中で共有される現在に、隠し通せるわけもないことを誰もが承知していながら(もしかしたら承知していないのかもしれませんが)隠そうとする姿勢には疑問を感じざるを得ません。隠すのであれば徹底して隠し通す意思と手段を講じなければ意味がないでしょうし。

ともかくもドイツの拡散予測データを見ると、案の定、風向きによるのでしょうが狭い日本の国土はほぼすべてのエリアで少なからず影響を受けざるを得ないのが明白です。もちろん拡散予測!データですので、この通りに拡散されたのかどうかは別の話ですが、少なくてもこのように拡散されてしまう可能性があることは、真っ先に日本国民が知るべきでしょう。


110406_conccol_I-131_20110407T120000.jpgかろうじで推測するに、「データが曖昧で信憑性が薄い」とか「予測による無用な混乱を避けたい」という政府の方々の思いやりで、公表が控えられたのでしょうが、既に外国の機関で公表されている事実がある以上、こんな思いやりも無意味であるという想像力は働かなかったのかが不思議です。きっと庶民には想像もつかない意図や熟慮があるのかも知れません。

ちなみに拡散予測は今も続けられており、下記のサイトで詳細を見ることが出来ます。
ドイツ気象局 (DWD)による粒子分布シミュレーション:トップページ中段の図

ノルウェー気象研究所による放射性物質拡散予測:中段右側の表

日本の気象庁による要請されたので仕方なく作ったようなやる気のない白黒のレポートとは違い、いづれもカラーでアニメーション化されていて力が入っています。何より見易く、素人にも分かりやすいのが親切です。翻って日本の気象庁のページトップにある執拗な言い訳がましい断り書きは、なんなのでしょうかね!?確かに素人かも知れませんが、「国内の対策に参考にならない」かどうかは国民である各個人や会社が判断することであり、気象庁はその材料となるデータを分かりやすく即座に提供することが役割であることをすっかり忘れているよい例です。
こんな日本の政府の姿勢や考え方が変わらない限りは、この先も必要な情報が出てくるか先が思いやられます。。。

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