Thu
21
Nov
2019
こちらも夏の帰省時に購入していたSF小説、しかも今更ながらの古典ですが初めて読んでみました。アイザックアシモフと言えばロボット三原則で超有名な作家であり、今回のロボット小説を読む前から色々な媒体で既に見聞きしていました。確か馴染みのあるものだと、これまた言うまでもなくロボットアニメの金字塔とも言える手塚治虫原作の鉄腕アトムにも、このロボット三原則は出てきており、色々な意味で現代のSF小説に止まらずにアニメや映画に多大な影響を与えている作者であり、そのロボット三原則と言えるのではと思います。
そんな超有名な小説も今回初めて読むと言うのが、自分でも意外に感じつつ、楽しみに読み始めました。ちなみにアシモフの小説は随分と前に出世作と呼ばれている「夜来たる」という短編が入っている刊を読んだのみでした。いわゆるロボット三部作という形で、アイザックアシモフのロボット小説は三冊(正確にはロボット以外の短編と合わせたもう一冊があるそうなので、ロボット小説としては三冊半とのことですが)あるそうですが、それすら知らずにとりあえず最初の二冊ということで、今回の「我はロボット」と「ロボットの時代」を購入した次第です。
刊行された時系列から最初の「我はロボット」から読み始めて、たて続けに次作の「ロボットの時代」を読了してしまいました。構成としては全て短編から構成されており、共通の世界観、これらアイザックアシモフのロボット小説のストーリーテーラーとも言えるUSロボット製作会社唯一の(と言うことは世界で唯一のということなのですが)のロボット心理学者であるスーザン・キャルヴィン博士が登場する短編が半分以上を占めます。その中で、ロボットは便利な製作機械の延長としての位置付けながらロボット三原則があるにも関わらず、地球上での使用は禁じられており、危険な辺境や特殊な用途に限って用いられていると言う、ロボットの存在を認めながらも受け入れ難い風潮の人類社会との葛藤?を軸に進められている物語が多いです。
アイザックアシモフ自身が既に鬼籍に入られて随分と経ちますが、われはロボットの後書きで「もし名前が残るとしたらロボット三原則の考案者としてだろう」と予見していたのはさすがと言うか、既に生前にある程度の名声はあったにしろ、ロボット開発(と共にアシモフの小説で言うところの陽電子脳たるAIの発展)が全盛になるまであともう少しだったろうにと思います。アシモフの小説内では21世紀の早い段階でロボット達が生み出されてはいますが、現実はやはり半世紀ぐらいは遅れをとっている感覚でしょうか。
この二冊ですが、休む間も無く読み切ってしまったのですが、今でこそ多様なロボットの在り方やストーリーに映画と枚挙に厭わないですが、当時、ロボットという存在をテーマにこれだけ人類社会の在り方を表現した小説は皆無だったのではないでしょうか。ロボットSF小説としてはもちろんのこと、いわゆるロボット三原則を通じて露わにされる人間社会のテーマと主人公たる 博士とそのロボットへの感情の在り方など、現代のロボット(AI)開発における警鐘を先取りしたような小説は、読む継がれるSF古典としての存在感に溢れています。
ちなみにSF小説(多分古典として)の御三家というのが、アイザックアシモフ、アーサーCクラーク、ロバートハインラインの三人を指すとのことで私に限らずSF愛好家であれば誰もが愛してやまない三人だとは思いますので、この御三家というのは納得の選択かと思います。この御三家はこの先も随分と不動の地位にあり続けるのではないでしょうか。ロボット短編の残り一冊半も是非、早急に読みたいところです。といってもkindleだと本として残らず寂しいので、次回の帰省である来年以降になってしまいそうです。ここら辺、どうしても気に入った本はkindleでは抵抗があるところはアナログ世代だなーと自覚してしまうところですね。
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