Sat

02

Oct

2010

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かねてから読みたいと思っていたジョージ・オーウェルの「一九八四年」を読んでみました。SF小説には目がなく色々と読んできましたが、この本はSFというよりかは思想本の一分類のような読後感ですね。書かれた時代が1948年という大戦直後ということもありますが、いわゆるディストピア小説というものに分類される内容で、全体主義の恐怖というか絶望感がこれでもかと伝わってきます。物語の構成も内容もどちらかと言えばシンプルで分かりやすい反面、だからこそ長く読み継がれているのでしょうか。現実の我々が生きている現代も、平気で歴史を改竄することに躊躇しない国や人々が居ることを思うと、この本の内容も全くの絵空事どころか、努力を忘れるといつでもこんな世界が待っているぞという警告に聞こえます。


個人的には、人類の未来は無限の宇宙のように、限りなく広くて希望に満ちていると考えているのですが、この本が書かれた大戦直後はソ連のような国が現実に存在していたわけですから、いつどこでこんな世界になるかは分からないですね。自分がSF好きな一つの理由は「人が想像できることは、必ず人が実現できる」という(SF作家のジュール・ベルヌの名言ですが)人間賛歌というか楽観的なこの言葉に尽きるのですが、正直、人がどこまで今後も想像力豊かで楽観的な社会を維持できるかに掛かっているんでしょうね。

ジュール・ベルヌのこの言葉に象徴できるように100年前では想像すらできなかった夢が実現出来ている反面、同じくらい想像もできなかったような悪夢も実現しつつあるのが現代です。まあ私個人は人類の未来は明るいと楽観的な見方に傾いていますが、これは想像というよりかは希望なのでしょうかね。。。

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