Sun

07

Nov

2021

閃光のハサウェイ

既に今年の6月に公開されている本作品ですが、Amazon Primeで配信されていましたので、楽しみに観てみました!UCガンダム作品はユニコーンガンダムとガンダムORIGN以来でしたが、当時も現代のMS戦の凄さに感動した記憶がありますが、今回の「閃光のハサウェイ」のMS戦はずば抜けて気合が入っていました!三部作の第一作目の今回ですが、フィリピンのダバオを舞台にしていますが、懐かしのJolibeeが描写されている点も含めて、美術も背景も気合が入っています!そして何より夜間が中心のMS戦の描写が本当に素晴らしいです。

 正直なところ久方ぶりの富野作品ということで、その中でももう二十数年前に読んだ角川文庫の本作品の原作は衝撃的なラストを含めて他の作品以上にメッセージ性が高いストーリーと思います。そんな作品でしたので、どちらかというとストーリー重視でMSは添え物かと勝手に想像していましたが、何のことはないストーリー以上にMS戦も存分に楽しめました。ちょっと現時点の世相では抵抗のある「テロリスト」が主人公側ということで、ストーリーの脚色などどうなるかと心配しましたが、しっかりとマフティーの必要悪的な描写も盛り込みながら、展開よくまとめた本作品は、三部作の導入作としてはほぼ満点ではないでしょうか。加えて気合の入った小道具(iPadみたいなものから宇宙シャトルの装備、フィリピンの街中の描写などなど)の描写と本命のMS戦のコクピット描写はガンダム最新作の名に恥じない素晴らしい出来です。

 もっとも今回気合が入っていたのは、実はMS戦そのもの中でもコクピット同士の戦闘描写より、前半にハサウェイがMS戦の中をダバオの街中をギギと一緒に逃げ回るのですが、実際にMS戦が市街地で起きるとこんな被害!かという具体的な描写は、制作陣の本気を感じます。作画も劇場作品に相応しい見事な出来ですし、音楽も最近の映画のように一歩間違えるとミュージックビデオのような主従入れ替えたような出過ぎた感じもなく、かと言って効果的に使われていますし、よくよく出来の良い劇用アニメを作ってくれたなという感想です。

 既にUCガンダムと比較しても作画の進歩は顕著で、真夏のトロピカルなダバオの全景シーンなどは実写かと見まがう出来で、それだけ見ていても楽しめる程の映画です。地上戦が主体かと思いきや、後半のハイライトでもあるアナハイムから大気圏外でΞ(クスィー)ガンダムを受け取るシーンから地上へ続く夜間の戦闘シーンは、ガンダムORIGINで観た「ルウム戦役」の戦闘シーンの衝撃に勝るとも劣らない衝撃的な出来栄えかと思います。

 すっかりべた褒めの映画のストーリー展開と作画(描写)の出来栄えですが、気になるのは今後の第二部、三部への展開でしょうか。もう20,30年前とはいえ原作小説のあの衝撃のラストシーンは忘れられるはずもなく、ネタバレになってしまいますので控えますが、最後のシーンでのブライト・ノアの心情も未だに想い出せるほどです。仔細は忘れてしまっていたので、今回の映画も楽しめましたが、あのラストへ連なっていくのかと思うと何とも言えない気持ちでしょうか。そういった意味では、「逆襲のシャア」に引き続いての原作小説ともに傑作のエピソードかと思います。この映画が満を期して公開されたことは、本当に嬉しい限りです。

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(中) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(下) 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ (角川スニーカー文庫)

 翻ってガンプラネタになりますが、正直、UCシリーズの中でもこの時期のMSは微妙なスタイルでどうかとも思うのですが、こうも劇中での描写が素晴らしいとやはり購入したくなってしまいます。現時点でキット化されている機体は下記になります。

 まあ現在積み上がっているいわゆる積みプラを解消しない限りは、そもそも購入してももう積んでおくスペースもないので、今しばらくは自分自身は購入の機会はなさそうです。。。ともかくも映画の続編の公開を一刻も早く期待したいと思います

本作品の評価:4.5

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