Thu

15

Aug

2019

という訳で、せっかく日本に滞在していますので新海誠監督の最新作である「天気の子」を上の息子と一緒に観てきました!国内外で超ヒットしてしまった!?「君の名は。」の次作ということで、興行的にも内容的にも前作を超えるプレッシャーがある中でどんな作品になるのかというのは本当に楽しみでもあり一抹の不安もあった中、観終わった結論から申し上げますと素直に映画として2時間楽しめた日本アニメ映画というのは間違いなかったかと思います。
 新海誠の作品との出会いはたまたま観たアニメ「雲の向こう、約束の場所」とそれに引き続き観た「秒速5センチメートル」という作品でしたが、どちらもメガヒットする作品というよりかはインディーズのような好きな人が観るアニメ!?というジャンルの匂いがしていました。そんな中で、秀逸だったのは日常の風景でも気を抜かない綺麗を通り越した風景描写と構図だったかと思いますが、今回の「天気の子」では「君の名は。」でも目を引いた隕石の落下シーンをはるかに凌駕する雲と雨の空の描写と東京の風景、花火シーンなどはもはや一つの美術作品のようでこれだけでも映画館でうっとりと見惚れるに値するのではないでしょうか。映画を観ていた日はたまたま台風10号の上陸もあり、雨天と曇天が入り混じった何とも言い難い天気で、それもあって臨場感も増した感じです。
 既にネットでは評価が真っ二つとも言える位に分かれているストーリーやメガヒットした前作「君の名は。」との対比については、あまり気にならないというか既にこれだけ話題になること自体が既にヒット作の証?とも言えるでしょう。主人公の不甲斐なさ!?やストーリーのご都合主義などは、アニメ映画というジャンルである以上は特にここで主人公のヒーロー性やストーリーのリアリティを求めるポイントではないのですから、ファンタジーとして2時間のアニメ映画として楽しめれば十分かと思います。個人的には雨とは言え水没してしまう東京のラストと、それでも特にいつもの活気溢れる東京としての変わらぬ描写に、新海誠監督の東京への思い入れ、愛情を感じてそれだけでもこの作品へ贔屓せざるを得ない感じです。くどいのですが、あれだけのメガヒットの後ですから、スポンサー対応を始め今までにはない制作環境だったと容易に想像が付きますが、それでも本来の新海誠監督の持ち味である妥協のない風景描写とある意味、自分勝手?な主人公という軸はぶれていないので何だか安心した感じです。どこかで観たような既視感を感じるのも、新海誠監督自身の作品を含めた日本アニメへのオマージュと思えば、これだけの短期間でこのクオリティのアニメ映画をある意味「そつなく」製作してしまった新海誠監督もとうとう(ジブリとかとはジャンルが違いますが)巨匠になってしまった感もあります。ちなみにラストは前作の「君の名は。」に引き続きハッピーエンドというか希望の持てる終わり方でしたが、恋愛の成就?という意味でハッピーエンドだった前作と比較すると、水没した東京を背景に若い二人が再会して「僕たちは大丈夫だ!」と言い放てている主人公に、より大きな意味でのハッピーエンドというか希望を抱かせるラストで、これまた悪くないといか良かったのではと思います。

 新海誠監督の最新作である本作は、賛否両論ありながらも間違いなく今年のアニメヒット作になるであろう本作で、日本アニメの一ジャンルを確立したとも言えるでしょうから、早くも次回作以降が楽しみです。個人的には(既に十分SF的とも言えますが)やっぱり現代にこだわらずにSFチックなアニメ作品を期待したいところです。さぞや見応えのある描写になるのは想像に難くないでしょうから。次回作も是非、楽しみにしています!


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