Wed

01

Feb

2012

29歳の誕生日、あと1年で死のうと決めた。 (オープンブックス)

前回の帰国時に買ってからしばらくほっておいた本なのですが、ヘビーな本を読むのに疲れた骨休みにと思い軽い気持ちで読んでみました。実際に文章もボリュームも軽いのですが、中身はなかなかどうして面白かったですね。ノンフィクションということですが、ストーリーは軽快で夢もあり何だか月9のドラマみたいな流れです。しかしながら、タイトルにある通り29歳で残り1年と自分で決めた余生を生き切る著者の姿には、勇気を貰えます。本当かいな?という詮索もあるでしょうが、心機一転、夜の銀座のホステス業やヌードモデルに取り組む著者の世界がどんどん広がって行って、最後は倒れるまで仕事に(死ぬ前に行くと決めたラスベガスへの)準備にのめり込む著者は、もともと活動量のある人だったのでしょう。特にラスベガスの準備にとポーカーの研究に余念がないところは、凡人以上のものを感じます。


そしてクライマックスは30歳の誕生日を迎えるラスベガスに舞台が移るのですが、著者がそこで感じて得たものについての感想は、下手な評論家や啓蒙本にはない本物を感じます。そんな激動の1年を送った著者が辿り着いた結論が”(自分が育ったのと同じ)平凡でも幸せな家庭を築く”というところには、人が人として生きることの価値や意味の究極の回答だと思わざるを得ません。大震災を経験した日本人には、特に”平凡”の意味と重さが分かるこの頃ですが、平凡に生きることすら難しくなっているが現代なのかと改めて考えてしまいました。海外で単身生活という非日常もかれこれ3年目となる自分には、随分共感するところが多い本でした!


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