Thu

07

Mar

2013

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新海誠監督の代表作の一つである「秒速5センチメートル」を観る機会がありました。少し前に「雲のむこう、約束の場所」という作品も観てみたのですが、今回の作品も同様に美術というか映像が奇麗でハッとさせられる程です。2つの作品の感想は後述するとして、ストーリーは賛否両論あるやも知れませんが(私は個人的にはどちらも好きでしたが)この奇麗な映像だけは、観たことがある方は異論ないのではないでしょうか。日本のアニメもすっかり代表文化のように扱われ世界各地でファンがいる今日この頃ですが、新海誠監督の作品はその中でもアニメの特徴を活かしきった構図や美術に、アニメファンやオタクでなくても魅了されてしまいます。

最初に観た「雲のむこう、約束の場所」を観る前までは、自主制作でアニメを作った話題の監督ということだけは知っていましたが、どちらかというと一部のマニア向けのカテゴリの作品かなと、先入観があり特に作品を観ようとはずっと思っていませんでした。といってもようやく2つ代表作を観ただけですが、新海誠監督の作風やアニメへのこだわりは充分に伝わりました。この新海誠監督ですが、私と年齢が一つしか違わないということで、表面のストーリー以上に感情移入しやすいのは、世代が同じということも多分にあるのかも知れません。

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 「雲のむこう、約束の場所」 (公式サイト) 

去年のジャカルタ赴任後に、通勤の渋滞の車中で全くの暇つぶしにとiPadで観てみたのですが、冒頭から美術の綺麗さに引き込まれました。主人公達の年齢設定が中学生から始まっていますが、町の描写などは新海監督が中学生のころと同じような時代なのでしょうか!?ということは自分とも同じ世代なので、街中の美術背景にノスタルジーを覚えたのかも知れません。ストーリーは、現代の日本であっていて実は大分違っている独特の世界観の中、SF的な要素も含めて展開されます。まあストーリーの合理性は二の次で、主人公の心象描写が、この監督の醍醐味だと思いますので、最後までまとまっていたのではないでしょうか。挿入歌の「きみのこえ」も作品とよく合っていて、良かったと思います。「自作の飛行機で戦闘の中をSFちっくな謎の搭へ幼馴染の意識不明の女の子を乗せて飛ぶ」というとただの荒唐無稽で終わってしまいますが、それをストーリーとして実現できるからアニメなのですし、観ていて楽しめるという一番の要素をきちんと満たしていますのでよいのではないでしょうか。青森のどこかの場所がモデルのようですが、こんな素敵な風景の場所が日本だと世界のファンの人に宣伝してくれているだけで、何となく嬉しくなりますした。

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 「秒速5センチメートル」(公式サイト) 

三話構成(といっても最後の話はエンディングのような感じ)の恋愛物?なのですが、これまた背景美術の綺麗さに目が引き込まれてしまい、肝心のストーリーがどうでもよくなるほどです。これも車中のiPadで観てたのですが、映画館のスクリーンで観たらさらに絶景なのだろうと溜息が出てしまいました。特に第二話の「コスモナウト」(ちなみにCosumonautとはロシアの宇宙飛行士の意味だそうです)に出てくる主人公の夢の中のシーンで、地平線から空と星がごったになった風景を眺めているシーンは、大げさでなく壮観な光景で、いままで見た風景の中でこんな強烈な印象を受けたことがないのではと感じるほどです。話の内容はアニメでありながら、ファンタジーでもなく感受性が高い主人公の初恋物語なのですが、最後がハッピーエンドで終わらず非常にガッカリなのですが、あまり悲壮感は感じません。個人的には最後の山崎まさよしの歌はいま一つ作風に合っていないように思えて違和感ありましたが、この歌の歌詞ほどエンディングのストーリーにマッチしたものは無かったのかもしれません。

ちなみに私の個人的感想よりも、こちらのサイトに非常に合理的な解説がありましたので、興味が沸きましたら下記のサイトでも参照してください。

All For Unknown「秒速5センチメートル」と「時をかける少女」の切なさはなぜ違うのか

ミクロKOSモス夢のような物語の終焉  秒速5センチメートル

アニメというと宮崎駿のジブリもの以外は、マニア向けやらオタクという先入観で語られがちですが(最近はそうでもないのでしょうか!?)、新海誠監督の作品はなんともアニメでありながら映画のような構図や構成で、新機軸を感じさせなくもありません。ちなみに内閣の国家戦略室という何とも縁がなさそうな役所から、「世界で活躍し『日本』を発信する日本人プロジェクト」の一人に選ばれたとのことです。ほとんど知名度がないようにも感じますが、これからの活躍が楽しみです。まだ観ていない作品を観れる楽しみも、しばらくは取っておこうかと思います。


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