Thu

29

Aug

2019

「パインズ」続編の「ウェイワード」と「ラスト・タウン」

夏休み前に読了していた「パインズ―美しい地獄―」の続編を帰省時に購入していたので、早速読んでみました。2部目にあたるのが「ウェイワード―背反者たち―」で完結編の3部目が「ラスト・タウン (―神の怒り―)」です。「パインズ」のラストがある意味、これ以上はない!?という驚愕の事実で終わり、主人公も落ち着くところに落ち着いた感じだったので、ここからどうやって物語を展開していくのか興味半分、不安半分で読み始めたものの、結論から言うと2作とも1作目のテイストである読者の想像を超えるラストという持ち味を裏切らずかつ、SF三部作として非常に面白かったと言えます。2冊とも正直、夜なべして寝るのを惜しんで読んでしまいました。
 幻想とも生き地獄とも言える町パインズの保安官に無事に?収まった主人公のイーサンパーグでしたが、二作目の「ウェイワード」は冒頭から町の秩序を揺るがしかねない事件から始まります。イーサンがその捜査を担当する過程で、町を仕切るピルチャートその右腕のパムの存在感と意図が明らかになっていく過程はなかなか見ものです。二作目の本作は一作目の秘密のネタでもあった機能停止に前の世界との繋がりも描写されています。
 一作目では全く存在が分からなかった町を陰で運営しているスタッフや施設など、一作目のパインズという町を多少なりともリアリティのある?存在に肉付けしていく過程で、それぞれの前世(機能停止になる前の現在)が明かされて行きます。決して単なるパインズの町を取り戻そう的なレジスタンスものでもなく、かといってパインズに安住しているわけではなかった町の住人の姿が描かれて、一作目以上にパインズの存在がリアリティを増して描かれています。そんな過程で最後にイーサンパーグが十分に勝算のある(町の住人が未来における貴重な人的資源であるならばという前提で)賭けに出ますが、これまたその賭けをひっくり返すかのごとくどんでん返しとなります。ここら辺は読んでからのお楽しみなので、あまり詳細は述べませんが、二作目の洞窟の宴などがちゃんと三作目への伏線になっています。
 そして三作目は未来の人類であり怪物でもあるアビーとの生き残りを賭けた戦い(というよりかは一方的に襲われる町の住人の逃避行といった感じでしょうか)が中心となりますが、なかなか一方的でグロい感じではあり、スプラッター的な楽しみ方!?という感じでしょうか。そんな中でもなぜピルチャーがそのような行為にでたのか、結果としてパインズの試みの行く末はどうなるかなど、読者が知りたがっていた謎も明かされます
 そして圧巻は最後のこれまたどんでん返しとも言えるイーサンパーグの本当の最後とも言える人類の運命を掛けた賭けの結末でしょうか。まさかこう来るか!といった結末と、最後の希望ともいえるエピローグはどんでん返しのパターンを全く裏切らない結末となっており、なかなかこの三部作は期待通りというか一作目の衝撃を裏切らない二作目、三作目で本当に楽しめました!一作目の衝撃を考えるとその続編はあまり期待していなかったのですが、最後まで期待を裏切らない展開を維持した著者の技量はなかなかではないでしょうか。なかなかこれだけの作品を描き続けるのは難しいとは思いますが、また違った切り口での小説を期待しています!



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