年別アーカイブ: 2019年

Sat

28

Dec

2019

異色のダークモダンホラーSF「鼻」

   鼻 (角川ホラー文庫)

この本はAmazonの書評で「終わりに希望はないがどんでん返しが魅力」的なコメントが多かったので、それにつられて購入しておいたものです。暇な時に読もうかと思い、年末年始休みに何となく読んでみたら、内容に引き込まれて一晩で読んでしまいました。項数も薄く、表題作の「鼻」を含めて3つの短編が収録されている短編集なので、まああっという間には読めてしまうのですが、この著者の曽根圭介さんの構成力と行間に見られる筆力と言うか、独特の世界観の構築力には思わず引き込まれずにはいられないといった感じです。確かに3つの短編全てで、ラストの絶望感というか不条理な結末はなんともいたたまれない感じなのですが、想像していたよりかは普通に!?読むことが出来ました。というか、予想していたような読了後の不快感のようなものは全くなく、むしろこれらの独自の世界観から導かれる何とも諦めるしかないような“痛い”結末という感じでしょうか。なかなか読んでみないと分からない感覚ではあります。
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Sat

30

Nov

2019

ヨーロッパの夜市!クリスマスマーケット

ヨーロッパのクリスマスの風物詩と言えば、クリスマスマーケットが定番とのことで、ここヴロツワでも既に旧市街のリネックで始まっているとのことということで、早速行ってきました。本当は暖かい昼の間に行きたかったのですが、ここ最近も急激に日が暮れるのが早くなり3時を過ぎると夕方で4時過ぎにはもう夜という状態ですので、結局、暗くなってから行くことになりました。リネック周辺は普段からも駐車が難しいので、自宅からはトラムで行きます。トラムの駅へ行くだけでも相当寒い思いをしたのですが、それでも気温はまだ氷点下にはいかない1℃あたりです。氷点下になったらどうなることやら先が思いやられますが。。。
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Tue

22

Oct

2019

ようやくブログサイトの常時SSL(https)化!

ヨーロッパに駐在先が変わった契機というわけではないのですが、永らく手を入れていなかったサイトのメンテナンスをしてみることにしてみました。今更、大幅なデザイン変更は荷が重いので相変わらずのデフォルトテンプレートのTwentyTwelveをアップデートし続けて使う方針は変わらないのですが、以前から気になっていたサイトのセキュリティ対策の基本でもあるSSL化(https化)を思い切って断行してみました。本来はhttps化(要はSSL化)は既に基本的な仕様とも言え、世の中のサイトを見回すと個人のブログレベルでも相当数が対応済みです。基本的にこのSSLに対応していないと通信の暗号化がなされていないと言うことなので、閲覧に来てくれている貴重な読者の方にご迷惑をかけると言うことです。完全に個人ベースの趣味とは言え、例の別ページで発信している「技術士衛生工学部門のツボ」みたいにささやかな貢献を目指して発信しているページもあるので、やはりまず先にこのSSL化を実施してみることにしました。
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Sat

05

Oct

2019

出張で長期滞在しているオランダの片田舎の工業地帯のシッタートヘレーンですが、今週は週末を挟んで滞在しています。そこから車で20分ほどのところにあるマーストリヒトは、オランダでも観光地として人気のある古都ということで、週末を利用して観光してみることにしました。今週は雨が多く肌寒い日々が続いていてちょっと出歩くのが億劫な感じだったのですが、今日はたまたま雨も降らず天気も持ちそうでしたので(といっても分厚い雲に覆われていてお日様は出ていない感じです)、散策にはちょうど良かった感じです。
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Wed

18

Sep

2019

たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

この本もSFの中では比較的有名な著作で以前から知っていたものの、手に取って読み始めたのは今回が初めてとなりました。表題作の「たったひとつの冴えたやりかた」を含めた3作がオムニバス的に収録されており、その3作共に遥かなる未来の異星人の司書が若いこれまた異星人のカップルに太古の昔のヒューマンと呼ばれている人類のエピソードを紹介する形で、この3話がエピソードとして収録されいている形です。
3話とも時代背景(といっても主人公の少女が誕生日に宇宙船をもらうような遥かな未来?)とテクノロジーは同じ時期のようで、人類が使っている宇宙航行手段や通信手段(この通信手段の「カプセル」が全体の物語にキーを与えているのですが)は共通なものとなっています。最初の表題作は主人公の16歳の少女の一人称で進んでいくので、これまたハードSFばかりを読んでいた最中でこの著作を読むと違和感があるのですが、ファーストコンタクトものとして秀逸なばかりか、寄生体である異星人と少女との意気投合と冒険、そして確かにハンカチなしでは読めない?という感じのラストと物語としても一気に読めます。その中で、今の現代よりは相当な未来のSFなのですが、書かれた時代背景もあるのか通信手段はカプセルという昔の航海時代を彷彿とさせる方法を取っているところにポイントがあります。単なる小道具かと思いきや、この通信手段であるカプセルの内容を時間差を置いて主人公や登場人物が状況を把握するところに、3話共通なのですが聞き手の想像や臨場感を与える重要な役割を果たしていると思います。
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Sun

15

Sep

2019

初ワルシャワ!歴史地区散策

ポーランドに来て2週目の週末ですが、首都のワルシャワに泊りがけで来てみました。主たる目的は、ポーランド在住であればご存知かと思われますが、年に一度のソフトボール大会だったのですが、私のヴロツワフの某チームは和やかな雰囲気の中、特に勝利のモチベーションもなく大敗で終わってしまいました。それでもポーランドのソフトボール大会全体が家族向けのレクレーションと言った感じで、非常に楽しい雰囲気で面白かったです。
 という事で、次の日の日曜日は市内観光をしてみました。まず最初は共産時代の象徴とも言える文化科学宮殿(スターリンからの贈り物とのこと)の展望タワーに登りました。10時がオープンなのですが、ちょっと前に着いたものの既に4、50人くらいの観光客で混雑しています。エレベーターで展望台に登りと、ちょうど360度ワルシャワが一望出来るのですが、まだ高層ビルも少なく平原の国だけあって、どの方角も地平線が見えるので圧巻です。しかし、これだけ平原ばかりの国も珍しいと改めて思います。これも周囲の国から容易に攻められた歴史の一因なのでしょうか。
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Sun

08

Sep

2019

ポーランドのヴロツワフ空港に降り立ったのがちょうど丸1週間前の9/1でしたので、今日で1週間を過ごしました。初日の感想は既にアップしている通りなのですが、1週間ほど過ごした感想としては、また違ったものがあります。もちろん、月曜日から金曜日までは仕事で出勤していたので日中をゆっくり街中でというわけには行きませんでしたが、金曜日の勤務後に右側通行兼マニュアル車の練習をショッピングモールの駐車場でしてから車を運転したこの2日間はまた世界が広がった感じです。もっとも会社の人に乗せてもらってですが、客先への挨拶と現場巡りで既に近郊の町まで遠出済みではありますが、来週以降は自分の運転であの広大なポーランドの平原を高速で走れるのかと思うと、不安感より楽しみにの方が先に来てしまいます。
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Thu

29

Aug

2019

夏休み前に読了していた「パインズ―美しい地獄―」の続編を帰省時に購入していたので、早速読んでみました。2部目にあたるのが「ウェイワード―背反者たち―」で完結編の3部目が「ラスト・タウン (―神の怒り―)」です。「パインズ」のラストがある意味、これ以上はない!?という驚愕の事実で終わり、主人公も落ち着くところに落ち着いた感じだったので、ここからどうやって物語を展開していくのか興味半分、不安半分で読み始めたものの、結論から言うと2作とも1作目のテイストである読者の想像を超えるラストという持ち味を裏切らずかつ、SF三部作として非常に面白かったと言えます。2冊とも正直、夜なべして寝るのを惜しんで読んでしまいました。
 幻想とも生き地獄とも言える町パインズの保安官に無事に?収まった主人公のイーサンパーグでしたが、二作目の「ウェイワード」は冒頭から町の秩序を揺るがしかねない事件から始まります。イーサンがその捜査を担当する過程で、町を仕切るピルチャートその右腕のパムの存在感と意図が明らかになっていく過程はなかなか見ものです。二作目の本作は一作目の秘密のネタでもあった機能停止に前の世界との繋がりも描写されています。
≪ 「パインズ」続編の「ウェイワード」と「ラスト・タウン」 ≫の続きを読む

Thu

15

Aug

2019

新海誠監督の最新作!「天気の子」

という訳で、せっかく日本に滞在していますので新海誠監督の最新作である「天気の子」を上の息子と一緒に観てきました!国内外で超ヒットしてしまった!?「君の名は。」の次作ということで、興行的にも内容的にも前作を超えるプレッシャーがある中でどんな作品になるのかというのは本当に楽しみでもあり一抹の不安もあった中、観終わった結論から申し上げますと素直に映画として2時間楽しめた日本アニメ映画というのは間違いなかったかと思います。
 新海誠の作品との出会いはたまたま観たアニメ「雲の向こう、約束の場所」とそれに引き続き観た「秒速5センチメートル」という作品でしたが、どちらもメガヒットする作品というよりかはインディーズのような好きな人が観るアニメ!?というジャンルの匂いがしていました。そんな中で、秀逸だったのは日常の風景でも気を抜かない綺麗を通り越した風景描写と構図だったかと思いますが、今回の「天気の子」では「君の名は。」でも目を引いた隕石の落下シーンをはるかに凌駕する雲と雨の空の描写と東京の風景、花火シーンなどはもはや一つの美術作品のようでこれだけでも映画館でうっとりと見惚れるに値するのではないでしょうか。映画を観ていた日はたまたま台風10号の上陸もあり、雨天と曇天が入り混じった何とも言い難い天気で、それもあって臨場感も増した感じです。
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Wed

14

Aug

2019

日本の宇宙最前線!JAXA筑波宇宙センター

今回の帰省で必ず行きたかった場所だったJAXAの筑波宇宙センターに行ってきました!数年前に読んでみた漫画「宇宙兄弟」にも頻繁に出てくる施設なのですが、帰省先の埼玉県所沢から茨城の筑波というと地理的に相当離れているイメージで躊躇していたのですが、今回改めて調べてみるといつも利用している近所の関越自動車道の三好PA(のETCだと入れるスマートIC)から圏央道経由だと実際に1時間少しで行くことができました。先日の鬼怒川旅行と同様に圏央道開通のメリットを享受できている感じで、なんとなく得した気分です。
 そんなこともあり、お昼前には着きましたが、今回はお盆期間中ということもあり、事前の有料見学ツアーは気が付いた時には既に満席でしたので、今回は施設見学と飛び込みで参加のプログラムを目当てに来てみました。まずは着いてからJAXAの職員の方も使用する食堂へ行くことにしました。まずはE-2棟と呼ばれる「広報・情報棟」で申し込みをして構内のカードをもらいます。そうすると食堂のある「C-2厚生棟」に入れるのですが、確か受付締め切りが12時半位だったので時間外だと食べれないようです。食堂は至って普通の社員食堂?なのですが、JAXAの宇宙飛行士と同じものを食べてるのだなーという感慨が沸く感じです。
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Mon

29

Jul

2019

異星人の郷 上 (創元SF文庫) (創元SF文庫)異星人の郷 下 (創元SF文庫) (創元SF文庫)

正直、読み始めは非常に取っ付き難く、と言うのも文体がとてもSFとは思えない昔に読んだ「薔薇の名前」のようないかにも中世の物語(本の帯見出しが中世のファーストコンタクトと謡っているので当然だったのですが)と言った趣きで始まっているからでもあります。この「異星人の郷 上 はネットのSF評価で面白そうだったので去年の帰国時に購入していたものの、ちらっとページを開いたものの前述のように取っ付きにくい文体もあって読む気がしていなかったのですが、夏の帰省を前に読む本(正確にはSFが尽きてしまったので)半ば仕方なく読み始めたと言う感じでした。それでも実は一度読み始めて挫折したのですが、つに読む本もなくなり暇つぶしにと読み始めたのですが、上下巻の上巻が終わる頃には下巻を待ちきれないように一気に読みきってしまいました
 導入部分は前述の通り中世(のど真ん中?後半?である14世紀あたり)のドイツの田舎町にある教会の司教であるディートリヒの日常から始まります。これらが何とも取り付き難い印象を受けるのですが、読み終わって全て導入部の中世の小村の様々な人物像も伏線の一つだったと後で分かります。早々に異星人であるクレンク人の宇宙船が難破して、主人公であるディートリヒ神父の手助けを借りながら船を修復し始める異星人と中世の村人との関わりが物語の主軸として進んでいきます。その中で、この小説が秀逸なのは中世のヨーロッパにおけるキリスト教の宗教観と村人の生活をあくまでリアルに描きつつ、そこに異星人が入り込んだ日常を違和感なく描いているところでしょうか。実際に異星人も人間に近い生物ではなく、物語の中でバッタと呼んでいるように昆虫に近い生き物が進化した姿と社会を示唆しながら、中世の人類との溝を赤裸々に描いていきます。その中で中世らしい臨場感を与えているのは、あくまでリアルなキリスト教の存在感と村人の実生活の描写、ヨーロッパが当時局面していた貴族諸侯の戦争かと思います。
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Sun

09

Jun

2019

海外ロボットSF「巨神計画シリーズ」

巨神計画 上 〈巨神計画〉シリーズ (創元SF文庫)巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)

こちらも元々は暇つぶしで古本屋で購入した最初の「巨神計画」を読んだのが、春先だったのですが、意外な⁈面白さについKindleで続編の「巨神覚醒」まで読み進めてしまいました。そして例によってこれも3部作構成で、最後の「巨神降臨」は発売日を待ちつつ、すぐにKindleで購入して一気読みしてしまいました。全編を通しての主人公は、子供の頃に偶然にも巨神(巨大ロボ)のパーツの一部である手を発見した女性の科学者なのですが、彼女を中心としてパイロットであるカーラとヴィンセント、続編からは彼らの子供であるエヴァを中心に話が展開していきます。そして、前半を通して重要な役回りを演じているのが、前半の物語の語り手でもあるインタービュワーと呼んでいる謎の高官?です。
 このシリーズの特徴的なところが、全編を通じてストーリーがいわゆるインタービュワーによる聞き取り記録や、ある時にはある人物の手紙、通信記録などで構成されていることで、これは前に読んだワールドウォーZに似ている形式とも言えます。もっとも形式については、もっと変化に富んでいるので、読者にとってはニュースや後日の記録を読みながらそれでいて臨場感一杯の構成と、話の背景まで途切れずに理解できているのは、作者の文章力と構成の秀逸さがでているところかと思います。
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